
埼玉県長瀞町にある宝登山(ほどさん)は、秩父鉄道 長瀞駅から徒歩10分ほどで登山口にアクセスできる低山。
ロープウェイを利用すれば、わずか5分で山頂駅まで上がることもできます。たっぷり歩きたい方には、隣の野上駅から宝登山を経て長瀞駅へ抜ける、約3.5時間のハイキングコースも人気です。
山頂には、展望テラスSUSABINOテラスがあり、ソファ席やカウンター席でくつろぎながら、秩父の山々と街並みの絶景を楽しめます。
さらに山頂には蝋梅(ろうばい)園があり、1月中旬から3月上旬には約3,000本の蝋梅が開花。甘い香りに包まれるこの時期は、多くの観光客やハイカーで賑わいます。
本格的にスギ花粉の飛散が始まった3月初旬。
花粉に怯えながらも、野上駅からスタートするハイキングコースを歩いて、蝋梅を見に行ってきました。
そんな宝登山登山レポートをご紹介します。
宝登山ハイキングの概要
宝登山ハイキングの基本情報
宝登山とは
宝登山(497m)は、埼玉県秩父郡長瀞町と皆野町にまたがり、秩父盆地の北側に位置する山です。宝登山神社のそばからロープウェイを利用すれば約5分で山頂まで行くことができます。
山頂には宝登山神社の奥宮があり、神聖な雰囲気に包まれています。また、1月から3月にかけては、蝋梅や梅が咲き、甘い香りが訪れる人を迎えてくれます。
宝登山の名の由来が少しおもしろかったのでご紹介します。
当て字なんだ
と思いましたが、弥生時代後期で、稲作が全国的に広がっていた時代です。
飢饉や自然災害による不作も身近にあったことから、縁起の良い言葉や意味を大切にする風潮があったのかも。
そんな時代背景を重ね、「宝を登る山」へと変化していったのかなと想像すると、少しロマンを感じます。
長瀞アルプスハイキングコース〜宝登山山頂〜宝登山ハイキングコース
長瀞駅から宝登山神社へ歩き、そこからロープウェイを使えば気軽に山頂で行くことができます。
とはいえ、「せっかくだからハイキングも楽しみたい」という方も多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが、長瀞アルプスハイキングコースです。
隣の野上駅をスタートし、登山口まで約15分。そこから宝登山山頂を目指します。山頂まではおよそ2時間ほどの行程です。
山頂散策を楽しんだあとは、ロープウェイで下山することもできますが、宝登山ハイキングコースを使って徒歩で下山するのもおすすめです。
約1時間ほどで宝登山神社へと下ることができます。
帰りに観光スポットへ立ち寄ったり、長瀞グルメを楽しめるのも、このコースの魅力ですね!
実録:宝登山ハイキングで蝋梅に酔いしれる
上記で紹介したコースを歩き、見頃を迎えた蝋梅を楽しんできました。
■ 私たちのコースタイム 4:10(休憩1:15含む)
■ 歩いた距離 8.4km

秩父鉄道 野上駅〜長瀞アルプス登山口
池袋駅から電車で約2時間。
車窓からの景色は、都会の風景からどこか懐かしい原風景へと少しずつ変わっていきます。ぼんやりと眺めているうちに、野上駅に到着。

野上駅を出発し、万福寺方面へ向かいます。
長瀞アルプス登山道の先に、長瀞アルプス観光トイレがあります。

長瀞アルプス登山口の標識が見えてきて、登山スタートです。

長瀞アルプス登山口〜宝登山山頂
緩やかな勾配が続き、少しずつ心拍数が上がっていきます。この季節は寒すぎず暑すぎず、とても歩きやすいコンディション。
しばらく進むと、渋い赤色のポストが見えてきます。これは民有地の通行料を、環境整備協力金として支払うための100円ポスト。

雑木林の道が続きます。よく整備されていて、とても歩きやすい。

ふと目を向けると、クライミングを始めたばかりのようなツタの姿も。

長い冬を越え、暖かさとともに動き出した植物たちの気配を感じられます。
雑木林を抜けると奈良沢峠に到着。ここからはアスファルトの林道を約20分歩きます。
林道に差し込む柔らかな光の中で、空中を舞うスギ花粉がはっきりと見えて、
この花粉の中を歩いていくのか...
と思うと、少し複雑な気持ちに。なんとなく黄色く見えませんか?↓

やがて、毒キノコに注意の看板(宝登山北登山口)が現れ、再び登山道へ。

ここから山頂までは、約200段の階段が待っています。

宝登山山頂で山ごはん
階段を登りきり少し歩くと、宝登山(497m)の山頂に到着!
まずは、東ろうばい園からの景色。

思わず長居したくなるほどの眺望が広がります。手前には秩父の街並み、奥にはひときわ存在感のある武甲山(1,304m)。
その間を縫うように荒川が蛇行しているのが見えます。
ここからはお楽しみのランチタイム!
本日の山ごはんは、一風堂メシ。ラーメンのスープにご飯を入れる背徳感たっぷりのラーメン飯です。

ふと足元を見ると、松の幼木がひっそりと芽吹いていました。

よく見ると小さくても松のカタチ
続いて、西ろうばい園側の山頂へ。

こちらは木陰が多く、直射日光を避けられるのが特徴です。暑い時期はこちら側で休憩すると、ゆっくり過ごせそう。
宝登山山頂を散策
宝登山山頂は見どころがたくさんあります。
まずはろうばい園から散策。蝋梅の英語名は"Wintersweet(ウィンタースウィート)" 。
その名のとおり、花からは甘い香りがふんわりと漂い、歩いているだけでやさしい香りに包まれます。

私は和名の 蝋梅 という響きと由来も気に入っています。

蝋細工といえば、食品サンプルか...と考えているうちに、蝋梅の花がだんだん食品サンプルに見えてきて、
天ぷら....に見えなくもないか?
お寿司屋さんのガリ....にも見えてくる?
なんてことを考えながら、のんびり歩いていました。

宝登山は蝋梅だけでなく梅も有名です。名花・珍花など約170品種、約470本が植えられています。

6割咲きといったところでしたが、山肌を紅白の絨毯のように染め上げる光景は見事です。

こちらは SUSABINOテラス。ソファ席やカウンター席でくつろぎながら、秩父の山々と街並みを一望できます。

山頂にはこのほかにも、宝登山神社の奥宮や宝登山小動物公園があり、見どころが充実しています。
宝登山ハイキングコースから下山
1960年にオープンした宝登山ロープウェイの前を通ります。どこか懐かしさを感じるレトロなフォントが印象的です。

さらにレストハウスも通り過ぎ、その脇にある道標から下山道へ。ここからは宝登山ハイキングコースを通り、宝登山神社を目指します。

下山道は、コンクリート舗装のつづら折りが中心で、眺望はあまりありません。
約40分ほどで、宝登山神社の境内に到着。これにて登山は終了です。
宝登山下山後のオススメ長瀞観光スポット
宝登山神社
登山終了後に必ず行きたい宝登山神社。下山後にすぐ現れる白い鳥居をくぐります。

白い鳥居には、清浄・神聖・浄化といった意味があり、邪気を払う結界の役割を果たすといわれています。
登山の締めくくりにふさわしい、すっきりとした気持ちで参拝できました。
長瀞蔵
宝登山神社から長瀞駅の方へ向かう途中、右手に "数量限定!新酒" と書かれた黒板を発見。
さくらにごり!?気になる
さくらにごりをを求め、立ち寄ることに。

訪れたのは長瀞蔵。和モダンな外観で、少し入りづらい雰囲気……。でも思い切って入店しました。

すると店内では試飲を勧めてもらえ(セルフ試飲マシーンもあり!)、さらに建物裏手の酒蔵も自由に見学可能。
窓越しに醸造の様子を見られるほか、映像で日本酒づくりの工程も学べます。こちらはなんと無料です。
郷土資料館・旧新井家住宅
続いて郷土資料館・旧新井家住宅へ。こちらも入場料は200円と良心的です。

江戸時代中期に建てられた住居の外観は、まさに大きな農家といった佇まい。
屋根は板葺屋根(いたぶきやね)で、竹の下地の上に薄い栗板を重ね、石で押さえる構造になっています。
室内には天井がなく、見上げると下地の竹組みの美しさが際立ちます。

床板と障子の組み合わせもどこか現代的でお洒落です。

おまけ:長瀞蔵のさくらにごり
帰宅後、長瀞蔵で入手したさくらにごりをいただきました!ワンカップのデザインもかわいい。
飲む前は「甘口?桜風味?」と想像していましたが、実際はそこまで甘くなく、すっきりとした飲み口。
桜味でも苺味でもなくて、
このほんのりピンクの正体は一体....

宝登山ハイキングのまとめ
宝登山ハイキングは、初心者でも安心して楽しめる埼玉・長瀞エリアの低山コースです。
長瀞駅から徒歩で登山口にアクセスできるほか、ロープウェイを利用すれば短時間で山頂まで行けるため、体力や時間に合わせてルートを選べます。
しっかり歩きたい方には、野上駅からスタートして長瀞駅へ抜ける約3.5時間のコースがおすすめ。
緩やかな登山道が中心で道も整備されており、登山初心者にも適しています。
山頂からは秩父の山々を一望でき、1月〜3月は蝋梅、2月〜3月は梅の花も楽しめるため、季節ごとの見どころがあるのも魅力です。
山頂付近にはトイレや休憩スポットもあり、初心者でも安心して歩ける環境が整っています。
下山後は長瀞観光や食べ歩き、酒蔵巡りなども楽しめるため、日帰りでも充実した1日を過ごせます。
「初心者向け・日帰り・絶景・グルメ」をすべて満たした、満足度の高いハイキングコースでした!